社長っ、このタクシーは譲れませんっ!
「見た目が綺麗よね」
「チョコも可愛いわ」

「あまり甘くなくて美味しい」
「残りはそれぞれの部署で配りましょうよ」

「私、多めにとってもいい?
 秘書にも配るから」

 オッケー、と言って、先輩二人がお菓子を分け、立ち上がる。

「行くわよ、愛人っ」
と言う律子に最後まで、もそもそ食べていた千景が顔を上げて言った。

「あ、そうだ。
 私、お菓子のお金まだ払ってないです。

 お幾らでした?」

「……そうだ、あんたに買わせるんだったわ。

 もういいわ。
 計算してる時間ないから。

 今度おごってよ」
とめんどくさくなったらしい律子が言う。

 それ、運べっ、と三人でお弁当殻やお菓子をガサガサ運んでいたが、急ぎすぎて、律子がお菓子の袋を落とした。
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