社長っ、このタクシーは譲れませんっ!
なんか美男美女の見た目だけ似合いなカップルが来る。
お気に入りのカフェから出た八十島は揉めながら来る千景と将臣を見た。
「だから、ハムスターボールで……」
と話す千景の声が聞こえてくる。
嵐山はハムスターを飼ってるのかと思ったが、
「それで、もう武者小路さん、汗だくで透明なボールの中を走ってて。
あれは効くと思いますね」
と千景は語っていた。
……何故、武者小路が汗だくでハムスターボールの中を走ってるんだ、と思ったとき、千景がこちらに気づいて、へらりと笑う。
「よかった、八十島さん。
まだいらしたんですね。
一緒に会社に行きませんか?」
お前は、朝、迎えに来る近所の小学生か。
じゃあ、後ろについている社長は登校班の班長だな、と思う。