最強総長は闇姫の首筋に牙を立てる2。〜学園編〜
それから私は壱流といろんな話をして、気がつけば2人で一緒にベッドで寝ていた。


壱流とデート、か。夏だし海とか夏祭り?そんな場所もあんまり行く機会がなくて。

幻夢と1度だけ海を見た思い出はあるけれど、それだけ。


『 ただ海を見るのも悪くないですけど、次は姉貴の水着見たいです!』

『 それなら今度は仲間たち皆で来ましょう』


『だったらセクシーな水着がいいです!黒ビキニとかどうですか!?』

『中学生でそんなの着てる人なんて…』


『 断崖絶壁の姉貴でも絶対似合いますって!……いてっ』

『 馬鹿なこと言ってないで早く帰るわよ』


「……幻夢っ!!」


飛び起きてしまった。横で寝ているのは壱流。

さっきのは夢…だったのね。私が大声を出したにも関わらず壱流はぐっすり。


「目が覚めてしまった」

私はベッドから起き上がると部屋を出た。


「月が綺麗、ね」


壱流が仕切る町はそれなりに安全だ。私のことを知る人が多いし、いきなり襲いかかってくることはほとんどない。それがあるとしたら敵。


ヤクザは基本的に夜に活動すると聞いたけれど今日はやたら静かね。

みんな寝ているのかしら?


「どうか幻夢が怪我をしてませんように」


私は月に祈る。神に祈っても、その場しのぎであることは変わらないのに願わずにはいられない。


「なに、これ…」


私はふと自分の手を見た。

手の平になにか数字のようなものがあるけど、はっきりとはわからない。


「なにかのカウントダウンみたいだなァ」

「!?」


「俺様に背後をとられただけで、ナイフを投げつけてくるのは物騒だな。それと久しぶりだなァ、闇姫」

「狗遠……」


それは久しぶりの再会。


狗遠、どうして貴方が壱流の領域(テリトリー)にいるの?


以前のように敵対はしていない。けれど油断はできない。油断が命取りになるのは不良やヤクザの中では常識だ。
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