最強総長は闇姫の首筋に牙を立てる2。〜学園編〜
私がまだ仮の吸血鬼だとしたら壱流はどうなるの?

壱流を助けるために吸血鬼になったのに。


「皇綺羅壱流のことを心配してるのか?」

「当たり前よ。私は…」


「壱流のために吸血鬼になった。それは嫌というほど聞いたぞ」

「だったら」


「少しは自分の心配をしたらどうだ?」

「え?」


顎をクイッと持ち上げられ顔を無理やり上げられた。感傷に浸る暇はないんだといってるみたい。


「心配しなくとも壱流は大丈夫だ。今の内は、な」

「その言い方だと安心できないわ」


「いいから聞け。それよりも貴様の身体のほうが危険だ」

「私はどうなったっていい。壱流や幻夢を助けられるっていうなら……」


「わからないようなら教えてやるが、壱流も幻夢も貴様のために生きているんだぞ。守るべき相手がこんなんじゃ2人の努力も報われないなァ」

「……」


「何故自分をそこまで卑下する?自信をつけろとまでは言わないが、あまり自分を嫌うな。自分を好きになれない奴が相手を本気で愛せるものか」


狗遠にも叱られてしまった。
強さを手に入れても自信はつかない。


「たまには自分を許してやれ」

「私自身を、許す?」


「貴様は自分だけが幸福になることが怖いのだろう?」

「それは…」


「他人を幸せにすることはいい事かもしれないが1人で全員を幸せにするなんてことは不可能に近い」

「誰も全員を幸せにしようなんて考えてな……」


「考えている。それに全員というのは貴様に関わる者たちのことだ」


狗遠。わたしに何か伝えようとしてる?


「仲間を助けなければいけない、救わないといけない。そんなことを毎日のように考えれば心も体も疲れるぞ。たまには自分を幸せにすることを考えてみたらどうだ?そしたら貴様のいう本物の強さも手に入るかもしれんぞ」

「本物の、強さ……」


私がいつまでも強くならないのはそれが原因?

たしかに自分よりも最優先すべきは壱流、その次に幻夢や他の舎弟たち。そうやって自分のことは後回しにしてる。
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