王女の選択
それを聞いたとたん、カーラは完全に無表情となり、ステラに残りのナプキンを手渡すと急いで階段を駆け上がった。
「おはようございます。お父様」
カーラはベッドに近づくと、ルドルフは自分で上体を起こした。枕を手の下に入れたかと思うと、小さな青い小瓶をカーラに手渡した。
「自分のすべきことはわかっているな」
「グラスの縁にこの毒を塗ることです」
「そうだ。金のグラスは十分に磨いておけ。そして、最高のワインも準備しておくんだ」
カーラは無言でうなずくと、小瓶を握りしめて部屋を出て行った。
カーラはすぐ胸元に小瓶を入れると、急いで大広間へと戻っていった。
「ステラ、金のカップを出してちょうだい」
「金のカップでございますか」
「ええ、父がせっかくだからあのカップを出したらどうかと言っているの」
「まぁまぁ。なんですかその張り切りようは。戦いに負けたんだか勝ったんだかわからなくなってきましたよ」
ステラはぶつぶつといいながらも、倉庫から出してくると約束した。
「朝から元気だな」
振り返ると、ちょうど階段から降りてきたジェラルド、ヴィクトーそしてリュカが見えた。
カーラは挨拶と共に軽くひざを曲げると、朝食の準備はできておりますと三人に伝えた。