王女の選択
素早く湯あみをした後、母が使っていたのと同じクリームを肌に刷り込む。
何度も櫛で梳いたカーラの髪はふんわりと背中に流れ落ち、白い肌に一層映えた。しかしドレスを着るや否やカーラは大声でステラを呼んだ。
「どうかなさいましたか」
「ステラ!!このドレスは一体何なの!?」
「何なのとは?」
「肌が丸見えじゃないの!」
「それは最近の流行でして、これでも他のドレスに比べると胸元のカットはあまり深くありません」
「こんなドレス、宴で着ることなんてできないわ!娼婦のような格好で参加しろというの!」
「何をおっしゃっているのですか。腕で隠さずにまっすぐお立ち下さい」
ステラは半分脱ぎ掛けたドレスをカーラに着させ、後ろのボタンを全て留め終わると前に回って全体を確認する。やはり髪はアップにしましょうと素早く編み込んでしまったので、背中が半分ほど丸見えの状態となってしまった。
「カーラ殿。とても美しいのですから堂々としてください」