空の表紙 −天上のエクレシア−



――――いつの間にか
螺旋の下に皆集まって居た




ルビナとオデッセイは
階段の途中で
物凄い勢いで、駆け登って来る
アクアスに気がつく



「アクアス…!!」


手摺りに縋り、
アクアスはハアハアと息をする


「く…ら闇の中で
光を見つけて…歩いて、来たらここに…。
そしたら、二人が見えた…から」



―下で待って居ろと
言った筈なのに
ジークは階段を
昇って来ていた


「兄貴!!待ってろって
言ったじゃないか!!」


「いや…この光を浴びていると
痛みを感じないんだ」




オデッセイが呟く。

『ジーク』

「…?」


『ガラが死んだ』

「………!」

ジークが上に向かおうとするも

「うお!!」

「きゃああ!!!」
―パラパラと螺旋が根元から崩れ出す
同時に激しい揺れが始まった



――今までとは違う

闇だった周囲は晴れて
空気はなぜか、空色に
爽やかさに満ちている

まるで新年の朝の様に
冷たく、澄み切って行く


崩れ落ちて行く螺旋階段の下を見ると
雲が流れて、風が吹いていた
その下には
遥かな海と、大陸


ルビナは必死に
オデッセイにしがみついている

オデッセイはそれを支え
その光景に、瞳を見開いた


少しづつそれは遠ざかり
周りはまた
暗闇に包まれた



そしてそこには




――青くて丸い


 何かがあった




アクアスが呟く。


「……世界は…終わるの…?」






< 198 / 227 >

この作品をシェア

pagetop