空の表紙 −天上のエクレシア−



「うあ?!」

―足元が縺れて転びそうになる

「うおっと!!」


肘が持ち上げられ
ルビナ自身も、片足を伸ばして
踏ん張った。


「裾、少し長すぎたか?」


剣舞士の装束の
玉で出来た飾りが鳴る

ルビナの背中から
雨粒の様に、シャラシャラと
振りかかって来た


――――ルビナは思い切り
後ろを向く


珠飾りの下には、少し延びた金髪と
間違えようの無い
あの大好きな緑の瞳があった




「…………やっぱり…!!」

また顔が
ヘの字になったルビナを
彼は手を取り、
群集から離れた木陰に誘い

― 彼は屈んで
ルビナのドレスの裾についた
草の片を払う


ルビナの『ヘ』の字は治まらなくて
次にはドレスの両脇を掴み始めた


彼は下から
そんな彼女を仰ぎ見ると
緑の瞳を柔らかく揺らして
ルビナの両手をとり、呟く


「………ヨヒエル。」

「……?」


「ヨフィエル・オルド・エヴァグラード
……本当の俺の名前。」



「……ひえるおる…?」

「…面倒臭えな。ヨピでいいや」

乱暴に頭飾りを外した


「め、めんどくさいって…!」



「なーんだ。
やっぱりルビナは赤が似合う
さすがオレ。」

足を開いて座り込み
後ろ手をついた


「…え……あ!
もしかしてこれ………?!!」


「寸法、ぴったりだろ?」

首を傾げて、
意味深に、微笑む


かなり密着した一連を思い出し
ルビナの顔が真っ赤になった



―――そんな二人の上で始まったのは
舞踏会に流れる様な
ダンスのメロディー


皆、星のランプを片手に
手を取り合い、挨拶を交わす



二人は顔をあげ
そして
緑の瞳の主も
ルビナの腰と、右手を取って
ゆっくりと音楽に合わせて
踊り始めた





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