神殺しのクロノスタシスⅣ
…何も悪いことはしてないのに…か。

そうだな。

誰も、何も悪いことはしてなくても。

運命は、悪い方に進むことはある。

逆に、良いことばかりしていたとしても。

運命は、悪い方に進むことだってあるのだ。

何せこの世の中は、不条理に満ち溢れているからな。

それを嘆いたって、空模様に文句を言うのと同じことだ。

何の意味もないし、誰の責任でもない。

…だから。

俺はいつだって、自分のやるべきことをやるだけだ。

後になって、後悔しないように。

…さて。



「…月読(つくよみ)」

俺は、ようやく思い出した、自分の半身の名を呼んだ。





< 247 / 795 >

この作品をシェア

pagetop