神殺しのクロノスタシスⅣ
「出てこられないのか」
『うーん…。無理みたい。ずっと試してるんだけど、どうも…行こうとしても弾かれると言うか…。拒絶されてる感じ』
拒絶…?
俺は拒絶しているつもりはないのだが。
「もしかして、俺のこの身体が、お前を拒否しているのか?」
『君本人の問題じゃなくて、その世界そのものに拒絶されてるのかな?』
世界?
確かにこの世界では、一般人にまで魔法の概念が広まっていないようだが…。
そのせいか?魔導師の数が少なく、魔力を持つ人間も少ないから、月読が出てこられないのか?
…いや、待て。それは関係ない。
「俺はずっと、これまでも…様々な次元の世界を転々としてきた。そうだな?」
『…何で確認口調なの?今更確認しなくても、そうだよ』
やはり、そうなのか。
自分が何者なのか、ようやくはっきりと確信が持てた。
『もしかして君、記憶喪失なの?』
「いや…今、思い出した」
『今って…。じゃあ、これまでは忘れてたの?この世界に来てから、私を呼ばなかったのもそのせい?』
「最初はそうだった。自分が何をしているのか分からなかったが…段々と思い出した」
それに、目覚めた瞬間医療チームのメンバーに囲まれていたし。
後輩も傍についていたから、月読に声をかけることが出来なかった。
そもそも、身体が思うように動かないからな。
「今ははっきり思い出した。自分が何者なのか」
俺は魔導師で、そして『死火』の守り人なのだ。
…しかし。
「何故身体が思うように動かないのか、お前が出てこられないのかは分からない」
俺はこれまでも、様々な世界を転々としてきたはずだ。
その中には、魔法の概念が全くない世界もあった。
そんな世界でも、関係なく月読は俺の前に出てきていたし、月読が世界に拒絶されるようなことはなかった。
一体、どうしてこんなことに…。
『それは私にも分からないけど…。でも、十中八九、アレのせいじゃないの?』
「…アレ?」
というのは、何のことだ。
月読には、覚えがあるのか?
『…え?君、もしかして覚えてないの?』
「…何を?」
『そもそもおかしいでしょ。君が何で、看護師なんてやってるの?白衣全然似合ってなくてびっくりだよ』
それは悪かったな。
言っておくが、これは俺の意志でやってるんじゃない。
『うーん…。無理みたい。ずっと試してるんだけど、どうも…行こうとしても弾かれると言うか…。拒絶されてる感じ』
拒絶…?
俺は拒絶しているつもりはないのだが。
「もしかして、俺のこの身体が、お前を拒否しているのか?」
『君本人の問題じゃなくて、その世界そのものに拒絶されてるのかな?』
世界?
確かにこの世界では、一般人にまで魔法の概念が広まっていないようだが…。
そのせいか?魔導師の数が少なく、魔力を持つ人間も少ないから、月読が出てこられないのか?
…いや、待て。それは関係ない。
「俺はずっと、これまでも…様々な次元の世界を転々としてきた。そうだな?」
『…何で確認口調なの?今更確認しなくても、そうだよ』
やはり、そうなのか。
自分が何者なのか、ようやくはっきりと確信が持てた。
『もしかして君、記憶喪失なの?』
「いや…今、思い出した」
『今って…。じゃあ、これまでは忘れてたの?この世界に来てから、私を呼ばなかったのもそのせい?』
「最初はそうだった。自分が何をしているのか分からなかったが…段々と思い出した」
それに、目覚めた瞬間医療チームのメンバーに囲まれていたし。
後輩も傍についていたから、月読に声をかけることが出来なかった。
そもそも、身体が思うように動かないからな。
「今ははっきり思い出した。自分が何者なのか」
俺は魔導師で、そして『死火』の守り人なのだ。
…しかし。
「何故身体が思うように動かないのか、お前が出てこられないのかは分からない」
俺はこれまでも、様々な世界を転々としてきたはずだ。
その中には、魔法の概念が全くない世界もあった。
そんな世界でも、関係なく月読は俺の前に出てきていたし、月読が世界に拒絶されるようなことはなかった。
一体、どうしてこんなことに…。
『それは私にも分からないけど…。でも、十中八九、アレのせいじゃないの?』
「…アレ?」
というのは、何のことだ。
月読には、覚えがあるのか?
『…え?君、もしかして覚えてないの?』
「…何を?」
『そもそもおかしいでしょ。君が何で、看護師なんてやってるの?白衣全然似合ってなくてびっくりだよ』
それは悪かったな。
言っておくが、これは俺の意志でやってるんじゃない。