神殺しのクロノスタシスⅣ
後ろ髪を引かれるような思いで、ボロボロになった六人の子供を連れて商会に戻ると。

第一声に、シルナもどきは溜め息を溢した。

「はぁ…。全く、あのオーナーにも呆れたものだね」

と、言ったシルナもどきの、視線の先には。

使い潰されてボロボロになった、六人の子供達がいた。

俺はてっきり、今すぐ彼らを療養させ、治ったらまた転売するのだろうと思っていた。

しかし、そうではなかった。

「これだけ使い潰されていたんじゃ、もう商品価値はない。全員、処分しておいて」

シルナもどきは、冷徹な目で子供達を見下ろし、俺と同僚にそう指示した。

…なっ…。

「相手があのオーナーだから、最低価格で下取りしたけど…。タダでも要らない、こんな傷物の役立たずは」

「そうですね。特に…片腕をなくしていては、転売しようにも商品価値はないでしょう」

シルナもどきの冷たい言葉に、同僚も同調してそう言った。

そんな…まさか…。

俺は青褪めたし、連れ帰られた子供達も、青褪めていた。

処分とは、それすなわち死…。

「ま、待ってください…!」

片腕をなくした子供の一人か、泣きそうな声をあげた。

「僕はまだ働けます。働かせてください。人一倍働きますから…!殺さないで!」

何とか処分だけは免れようと、必死に叫ぶ少年。

しかしシルナもどきは、そんな少年の嘆願を鼻で笑った。

「はっ。腕がない時点で、人半分も働けない癖に、偉そうな口を…。やっぱり処分が妥当だね」

「そ、そんな…!待ってください!殺さないで!殺さないでください!僕はまだ…」

「うるさいから、早く連れて行って」

「分かりました」

シルナもどきは、うるさいハエを払うように手を振り。

頷いた同僚の青年が、必死に命乞いする子供達を連れて、何処かに連れて行った。

俺は、動くことも言葉を発することも出来なかった。

ただ、これから死にに行く子供達の悲鳴だけを聞いていた。

「うわぁぁ!やめてください、まだ働けますから!働かせてください!殺さないで…お願いします!お願い…」

そこから先は、聞こえなくなった。

何処に連れて行かれたのか、俺には分からない。

ただただ、目の前のシルナもどきが…。

少年の、あんな凄絶な叫び声を聞いても、全く歯牙にもかけないシルナもどきが…平然としていることが。

酷く不気味で…恐ろしかった。

俺の目の前にいる…この男は…。

一体…何者なんだ?
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