神殺しのクロノスタシスⅣ
同僚の言った通り、シルナもどきは檻の前に立っていた。

連れてこられたばかりの子供達の仕分けに、立ち会っているところだった。

子供達は家畜のように、ランク付けされ、それぞれ別々の檻の中に押し込められていた。

でも、俺が見ていたのは、子供達ではなかった。

あまりにもその目が冷たくて、そんな目を見たくなくて、ずっと見ないようにしていた。

だけど今は、俺はそんなシルナもどきの目を、真っ直ぐに見つめていた。

ごめんな、ずっと目を逸らしていて。

俺が目を逸らしたらいけないよな。

だって俺は、お前の相棒なんだから。

「…?何か?」

シルナもどきが、俺の視線に気づいてこちらを向いた。

相変わらずその目は冷たくて、路傍の虫けらでも見ているかのようだった。

そうだな、よく分かってるじゃないか。

そんな視線を向けられたら、俺は傷つくよ。

俺の心を折るには、充分過ぎる一撃だ。

だけど、忘れるな。

そんなことで、俺達の絆は壊れない。

かつてシルナが、自分の愛する者の為に、自ら正しい道を踏み外したように。

俺もまた、同じ道を選んだ。

だから。

「…例えお前が、俺を覚えていなくても。俺のことを何とも思ってなくても」

俺は、シルナの身体を抱き締めた。
< 266 / 795 >

この作品をシェア

pagetop