神殺しのクロノスタシスⅣ
「そこで若い男の人が、酔っ払ったおっさんを掴まえて、新聞渡してるの見たからさー」
「その姿を追って、僕がスッてきた」
成程。そういう連携プレー。
お前らはまず、その無駄な才能を、他に活かすことを考えるべきだな。
今回は無事だったから良かったようなものの。
「あのな、お前ら…。確かに新聞の原本を入手出来たのは、非常に助かるが」
それは、それだけは認めるが。
「だからって、勝手に深夜に外に出るんじゃない。何度も言ってるだろ」
「えー…」
「僕達、夜の方が動きやすいのに」
知ってるよ。
夜行性だからな。
「子供は寝ろ。つーかそもそも、大人の話を盗み聞きするんじゃない。お前達には関係ないことなんだからな」
「羽久って、薄情だね」
うるせぇ令月。
お前らは、確かにここにいる大人達に負けず劣らずの実力を持っているが。
でも、お前達が首を突っ込んで良いのは、精々『アメノミコト』絡みの事件だけだ。
それ以外のことは、全部大人に任せておけば良いんだよ。
そして、お前達は学生生活を謳歌してろ。
あと、夜はちゃんと寝ろ。
寝る時間にちゃんと寝ないから、二人して小柄なんだよ。
それから。
「お前達は、この新聞、もう読んだのか?」
「いや?読もうとしたけど、行書体じゃないから読みにくくて」
むしろ行書体の方が難しそうと思うのは、俺だけ?
「それに、インクが滲んでて余計読みにくいから、帰ってから読もうと思って」
成程、分かった。
お前達には絶対読まさない。
これは、子供ではなく、大人が背負う問題なんだから。
「分かった。後のことは良いから、もう教室に戻れ。その前に学生寮に帰って、その黒光りする服を着替えてこい」
「えー、つまんない」
「黒光りだって、『八千歳』」
「なんかゴキブリみたいで、格好良いよね〜」
「うん」
格好良いのかよ。
どうなってんの、お前らの価値観。
「良いか、もう勝手に天井裏に潜むんじゃないぞ!ネズミ捕り置いといてやるからな」
「はいはい、分かった分かったって〜」
何だこの野郎。教師に対して、その生意気な態度は。
…ともあれ。
ぶつくさ文句を言いつつも、元暗殺者組が、学院長室を後にした。
…窓から。
枠に手をかけて、ひょいっと飛び降りるように。
…出ていけとは言ったが。
誰が、窓から出ていけと言ったよ。
着地をミスるような奴らではないが、しかし、着地地点で鉢合わせて、腰を抜かす生徒がいなければ良いのだが。
「その姿を追って、僕がスッてきた」
成程。そういう連携プレー。
お前らはまず、その無駄な才能を、他に活かすことを考えるべきだな。
今回は無事だったから良かったようなものの。
「あのな、お前ら…。確かに新聞の原本を入手出来たのは、非常に助かるが」
それは、それだけは認めるが。
「だからって、勝手に深夜に外に出るんじゃない。何度も言ってるだろ」
「えー…」
「僕達、夜の方が動きやすいのに」
知ってるよ。
夜行性だからな。
「子供は寝ろ。つーかそもそも、大人の話を盗み聞きするんじゃない。お前達には関係ないことなんだからな」
「羽久って、薄情だね」
うるせぇ令月。
お前らは、確かにここにいる大人達に負けず劣らずの実力を持っているが。
でも、お前達が首を突っ込んで良いのは、精々『アメノミコト』絡みの事件だけだ。
それ以外のことは、全部大人に任せておけば良いんだよ。
そして、お前達は学生生活を謳歌してろ。
あと、夜はちゃんと寝ろ。
寝る時間にちゃんと寝ないから、二人して小柄なんだよ。
それから。
「お前達は、この新聞、もう読んだのか?」
「いや?読もうとしたけど、行書体じゃないから読みにくくて」
むしろ行書体の方が難しそうと思うのは、俺だけ?
「それに、インクが滲んでて余計読みにくいから、帰ってから読もうと思って」
成程、分かった。
お前達には絶対読まさない。
これは、子供ではなく、大人が背負う問題なんだから。
「分かった。後のことは良いから、もう教室に戻れ。その前に学生寮に帰って、その黒光りする服を着替えてこい」
「えー、つまんない」
「黒光りだって、『八千歳』」
「なんかゴキブリみたいで、格好良いよね〜」
「うん」
格好良いのかよ。
どうなってんの、お前らの価値観。
「良いか、もう勝手に天井裏に潜むんじゃないぞ!ネズミ捕り置いといてやるからな」
「はいはい、分かった分かったって〜」
何だこの野郎。教師に対して、その生意気な態度は。
…ともあれ。
ぶつくさ文句を言いつつも、元暗殺者組が、学院長室を後にした。
…窓から。
枠に手をかけて、ひょいっと飛び降りるように。
…出ていけとは言ったが。
誰が、窓から出ていけと言ったよ。
着地をミスるような奴らではないが、しかし、着地地点で鉢合わせて、腰を抜かす生徒がいなければ良いのだが。