ねこねこ幼女の愛情ごはん〜異世界でもふもふ達に料理を作ります!〜4
「おはよう。お邪魔する」

 いつものように礼儀正しい挨拶をするのは、熊のアルデルンだ。
 上下にも左右にもひと回り身体が大きく、虎のキーガスよりも存在感があるのだが、その仕草に品があるのは彼も家族の令息だからである。
 ただし、同じ貴族でも狐のサファンと違って、顔の筋肉が社交界に向いていないらしく、どこから見ても獰猛な熊になってしまうのが彼の悩みである。そのおかげで王都に潜むよからぬ者たちの犯罪を抑止している、という素晴らしい効果もあるのだが。怪力で恐ろしげな警備隊員を敵に回したいと考える者はそうそういないのだ。

「おはようございます、アルデルンさん」

 怖いもの知らずの子猫が小首をかしげながら挨拶する姿を見て、アルデルンはその可愛さに抱き上げたくてたまらなくなった。
 ぐっとこらえて拳を握り、彼は言った。
< 10 / 234 >

この作品をシェア

pagetop