陰謀のための結婚
「生理はなかったので、あの、この血は生理なんですか?」
医師はエコーをしていた手を止めて、私の顔を見つめた。
「なかったの? ずっと?」
「はい。私の体は、妊娠できないのですよね?」
改めて口に出すと、胸が張り裂けそうだった。どうやって彼に話そうとしたのか。今となってはわからない。
「そう。生理が。あのね、芹澤さん。あなたの子宮は中隔子宮と言って、通常の子宮とは違う形をしているの」
初めて正式な病名を耳にした。聞き馴染みがなく、想像できない。
「この場合、妊娠しても不育症と言って、流産する確率が高い。あとは生理も出血量が多い場合があって、あなたの今回のように貧血になる人もいるわ」
「えっ。でも生理はなくて」
妊娠、不育症、流産。さまざまな言葉が理解できずに、滑り落ちていく。