陰謀のための結婚
寝室まで案内され、私が横になるところにバスタオルが敷かれる。
「もし汚しても気にしないで」という彼の気遣いには頭が下がる。
「あの、智史さん、ジムに行かれてはどうでしょう」
彼は一瞬、眉を寄せたが、快く頷いた。
「そうだね。そうするよ」
彼には悪いけれど、ひとりになりたかった。それは彼も感じ取ったようだった。
痛み止めが効いて、ぐっすり眠れた。しばらくして目を覚ましても、智史さんの姿はなかった。
トイレに行き、未だ慣れない出血の処置をする。世の女性は毎月これをしているのだと思うと、尊敬の念が湧いた。
慣れないせいで替えの生理用品を持ってこなかったと気づき、辺りを見回すと藤の籠を見つけた。
おそるおそる籠を開けると、中には何種類かの生理用品が置かれていた。それにその横には小さな蓋つきのゴミ箱。
「女性と暮らしてるって、疑われるとは思わないのかしら」
もちろんそんな捻くれた見方はしない。全ては彼の善意だ。私が眠っている間に用意して、ジムに行ったのだろう。