陰謀のための結婚

「もう! 智史さんなんて嫌いです!」

「大好きとしか聞こえない」

 キスをしようと迫ってくる彼の顔を押し退ける。

「キスで誤魔化さないでください」

「誤魔化してないよ。ただ好きだよって伝えたいだけ」

 突っぱねている手を取って、彼は指先にキスをする。目の前でその光景を見せつけられ、赤面して訴える。

「色気、しまってください」

「抱きたいなあ」

 私の訴えは聞き入れられず、とんでもない発言をする。

「だって血が」

「うん」

 気まずい空気が流れ、彼がポツリと呟く。

「そういえば、生理が来ない体だったんじゃなかった?」

「それが」

 医師に言われた内容をうろ覚えながら、彼に伝える。

 私の拙い説明を聞き、しばらく考えたあと彼は口を開いた。
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