陰謀のための結婚
状況がつかめずに、頭をフル回転させる。
城崎家からしてみれば、私の母だと思っている三矢の妻が同席するのは、おかしくないはずだ。
未だ理解できていない私の前で、城崎社長はここにいない三矢に対して苦言を呈した。
「三矢くんではダメだ。あの男が素直に心の内を話せたら、こんなに話がややこしくなってはいない」
「まあまあ、だから私たちが今日集まったのでしょう?」
城崎夫人が柔らかな表情で、城崎社長を宥めた。
城崎社長は大きく頷いてから、私を見つめて言う。
「私たちが集まったのは、ほかでもない。三矢と香澄さんのお母さんである、美佐子さんについて話すためだ」
美佐子の名に目を丸くする。美佐子は母の名前だ。
城崎社長はひと呼吸置いてから、再び話し始めた。