陰謀のための結婚

「眠り姫と呼ぼうか」

 頬に柔らかな感触を感じ、目を開ける。

「ごめんなさい。私、また」

「いいよ。お陰でゆっくり考えられた」

 隣に腰掛けた智史さんは表情を緩めて「夕食にしよう。部屋食にしてある」と言って、席を立った。

 私も彼に続いて席を立つ。

 座卓の上には、豪華な夕食が並べられていた。

「わあ。おいしそうですね」

「ああ、いただこう」

 彼は美しい所作で食べ進めていく。私も見惚れないようにしながら、おいしい料理を口に運んだ。

 お膳を片付けてもらうと、布団も敷かれた。目の前で二組の布団が並べて敷かれるのを見るのは、なんだか落ち着かない気持ちになるが、彼は気にしていないのか、また庭を見つめている。
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