陰謀のための結婚

 腕を緩め、顔を覗き込むようにして、唇が重なる。

「俺はきみに惹かれてる」

 トクンと胸が音を鳴らす。

「私も、です」

 視線が絡み合い、どちらからともなく再び唇を重ねた。

 髪に手を入れられかき上げられると、後ろに流され、その指が耳に触れる。

「んっ」

 声が漏れ、彼にしがみつくと、耳に唇を寄せられ、甘い吐息が漏れる。

「香澄、きみがほしい」

 囁きに胸を震わせ、小さく頷く。頬に手を添えられると、唇が重なった。

 外湯めぐりをする予定が、彼の色気の前では、そんなもの吹き飛んでしまった。

 何度も重ね、呼吸が浅くなる。キスは次第に深い口づけに変わり、応えるだけで精一杯で、なにも考えられなくなっていく。

「向こうに行こう」

 いざなわれ、彼に抱きかかえられるように布団の上に下ろされた。帯はいつの間にかなくなっていて、彼の熱い指先が肌に触れて身を捩る。

「綺麗だ」

 そう言いながら、体にキスを落とされる。恥ずかしくて、彼の体にしがみついた。
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