陰謀のための結婚
「きみにどんな事情があろうと、俺は自分の直感を信じる。初めて会ったときから惹かれたのも、こんなにも離れ難く思うのも初めてだ」
添えられた手が、優しく頬を撫でる。
「運命という言葉を、大人気なく信じてみたくなるくらい、きみに惹かれてる」
なににも囚われず、彼の胸に飛び込んでいけたら、どんなにいいか。
運命があるのなら、これは運命の悪戯だ。
私は首を左右に振り、彼の手から逃れる。
それなのに、彼は私の手を握り引き寄せて抱き締めると、お腹に手を回した。