陰謀のための結婚

「俺の部屋に行こう。このままだと、ここで襲ってしまいそう」

 僅かに残る理性をかき集めて返事をする。

「帰らないと」

「帰せないよ」

 私も帰りたくない。いっそこのままここで。口に出してしまいそうな情欲を、どうにか仕舞い込む。

「お願い。帰りましょう」

 はだけているブラウスを手でつかんで、彼を見つめ、視線でも訴えかける。

 智史さんは片手で顔を覆って、「わかったから、その顔で見つめないで」とお願いされた。
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