甘やかしてあげたい、傷ついたきみを。 〜真実の恋は強引で優しいハイスペックな彼との一夜の過ちからはじまった〜
 でも、彼の重みを肩に感じていると、どうしても緊張してしまう。

 もし、またこの状態で甘い言葉を囁かれたりしたら……
 どうすればいいんだろう。
 

 でも、そんな心配はまったくいらなかった。
 すぐに寝息が聞こえてきたから。

 なんだ。
 緊張する必要なんてなかった。

 だいぶ疲れがたまっているんだろうな。
 毎日、遅くまで残業しているみたいだし。
 いつも、全力投球だし。

 彼の安らかな寝息を聞いていたら、わたしもとても穏やかな気持ちになってきた。

 それから10分ほどで、タクシーは彼の家に到着した。
 わたしはそっと起こした。

「島内さん」
 ビクッと身体を震わせて、島内さんは目を覚ました。

「着きましたよ」
「あ、俺、寝ちゃったんだ。ごめん、重かっただろ?」
「大丈夫です」
「すぐ起こしてくれてもよかったのに」
「気にしないでください。じゃあ、また明日」
「あ、ああ。明日ね。おやすみ」
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