甘やかしてあげたい、傷ついたきみを。 〜真実の恋は強引で優しいハイスペックな彼との一夜の過ちからはじまった〜
「曖昧なままでごまかさないで、好きなら好き、嫌いなら嫌いって、姉ちゃんの気持ちをちゃんと伝えてあげないと。島内さん、身動きが取れなくて悩んでるよ」

「うーん、そうだ……よね」

 孝之は少し声のトーンを落として、訊いてきた。

「やっぱりまだ、裕樹さんのことが尾を引いてる?」

「ううん。そういうわけじゃないよ。ただ島内さん、凄い人すぎて、わたしじゃ釣り合わないんじゃないかと思って……」

 孝之はふーっと大きく息をついた。
「俺が口出すことじゃないってわかってるけど。でも今のままじゃ、姉ちゃん、島内さんの好意につけこんで、もてあそんでるみたいに感じる」

「そんなつもり……まったくないけど」
「うん。まあ、とにかく、よく考えてみろよ」
「うん、わかった」
 孝之は電話を切った。
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