甘やかしてあげたい、傷ついたきみを。 〜真実の恋は強引で優しいハイスペックな彼との一夜の過ちからはじまった〜
「これから一生かけて、ふたりで一緒にいっぱいの思い出を作ろうな」
「うん。嬉しい」
  
 亮介さんはわたしの肩に手をかけると、真正面から見つめてきた。
 小首をかしげて。
 
「奈月、それ反応薄くない? 今の言葉の意味、ちゃんとわかってる?」
「意味って?」

「一生かけてって言っただろう?」
「あっ」
 彼は唇に軽くキスをしてから、耳元で囁いた。

「結婚しようって意味なんだけど」

 じわじわと彼の言葉がわたしに沁みてゆく。

 橋本さんと話したときも、いつかはそうなりたいと思っていたけれど。
 同棲初日のこのタイミングでプロポーズされるとは思っていなくて、すぐに反応できなかった。
 
 答えないわたしを見て、亮介さんは少し不安そうな顔をした。
「だめ?」

 わたしは大きく首を振った。
「だめなわけない。急でびっくりして」
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