黒曜の戦場
「運動不足辺りじゃね?あっためて治まったら首回しとけよ」
「あっためるもの……!!!」
「お前マジで俺らのことパシる度胸あるのすげぇよ」
「はぁ……腹痛ぇ……」
「まだ笑ってたんですか」
少々痛みが落ち着いてきた琥珀ちゃんはゆっくりと首をもとの位置に戻す。
あったかいもの……っていったって、首のカーブにピッタリフィットするようなそんな都合のいいものなんて持っているはずがない!!
まだホッカイロの季節には早いのよっ!!
そう頭を悩ませていると、痛みに首に当てていた私の手首を掴まれ、首から離される。
その手があまりにも……そう、めちゃくちゃ温かくて。
離された手の代わりに、温かな手のひらが当てられる。
「笑ったら体温上がった」
「なんてこったい」
まさか雨林さんの手によって助けられることがあろうとは思っておらず……反応に困ってしまった。
ムズムズ、胸の奥の方からなんともいえない恥ずかしさが込み上げてくる。
「す、すみませぬ、お借りします……」
「早く治して」
「無茶は言わないでいただきたい!!」
「レトルトカレーでもあっためて首に当てるか」
「それ当てたら私火傷しません???」