黒曜の戦場
もうちょい首の筋肉を伸ばしていたいかも。
ぐいいーっと顔を上に向けて首を伸ばすと雨林さん……リンくんの見下ろしている顔がようやく見えた。
「琥珀が動けないからって意地悪してませんでした?」
「あんなもん意地悪に入んねぇよ」
「リンくん」
「なに、ハク」
すました顔で、いつも通りな仏頂面の黒縁眼鏡の奥。
けれどその瞳は、いつもより冷たさが少しだけ、和らいでいるように見えて、私はふふっと笑った。
「リンリーン」
「鈴みたいに呼ぶな、あほ面」
「ひどぉい!」
雨林さんはリンくんに決定、かわりに琥珀ちゃんはハクと呼ばれるようになりました。
いおりさんはどうしようかなぁ。
「なにお前ら見つめ合って。いつの間に近付いてんだよ」
「あ、いおりん!」
「「いおりん????」」
やっぱりどちらもリンリーンという感じは抜けなくて。
悩みに悩んだ末、いおりんと呼んでみた!
「まて、リンリンうぜぇからいっそミツハと同じでいい」
「……いお?いおくん!しっくりきた!!」
「それでいい」