黒曜の戦場
「……ゲームセンター?」
「そう、ゲームセンター」
運転手さんに繁華街で下ろされて、咲くんに連れてこられたのはゲームセンター。
爽やかな咲くんがゲーセンに来るなんてことは考えてもおらず、咲くんでもゲーセンで遊ぶのか……高校生男子だもんなぁなんて思っていると。
「遊びに来たわけじゃないけどね」
そんなことを、機械音の轟音の中で言われてしまう。
え、遊びに来たわけじゃないの?
ゲーセンて遊ぶものしか置いてない場所で??
日曜日ということもあり、子供や学生もあちこちで遊び回っている。
太鼓を叩いてる人、バスケットボールをシュートしている人、エアホッケーで遊ぶ子供たち、VRで車のハンドルを握りながら風船を掴もうとしている人。
なお、画面に風船が見えるだけで、実際には何も無い宙を掴んでいる。
え、まって今のゲームセンターってVRゲームまで入ってるの??すご。
「琥珀ちゃんはゲーセン、来たことある?」
「友達と中学の時にプリクラを撮りに来たりもしてたけど……スマホを持ってからは来る必要がなくなっちゃって。それっきりかなぁ」
「女の子はプリクラしに来るんだね」