見合いで契約婚した幼馴染が、何故か激しい執着愛を向けてくるのですが!

「そう。久しぶり」
「ん、ほんとね」

 高3で同じクラスだった澤田くんだけど、特に親しかった思い出はない。接点と言えば唯一、いつかの学期に同じ委員を担当したことぐらいだ。あれは確か……

「体育委員を一緒にやったの、覚えてる?」
「ああ、そうそう。体育委員だったっけ」
「体育祭の学期だったのに、俺、部の引退試合であまり協力できなくて。悪かったなって思ってたんだ」
「そうだったね。でもそんなこと、気にしなくていいのに」

 本来、運動部の生徒は体育祭が開催される1学期には体育委員にならないものだった。けれどうちのクラスは運動部員が非常に多く、他になり手がいなかったのだ。

「いや、あの年って創立何十周年だかで、準備がいつもより大変だっただろ。なのに相崎さんに任せっきりになっちゃって、ほんとに申し訳なかったんだよ」

 確かに、例年にはないプログラムが足された影響で忙しくしていた記憶はある。その忙しさに取りまぎれて、相方である澤田くんがいないことはほとんど忘れていたし、つい先ほどまで彼が委員の相方だったことも半分忘れていた。
 それぐらいだから、澤田くんがいなくて大変だったとか、迷惑だったとか感じた覚えはないのだ。だから本当に気にする必要なんてないのに、彼はなおも言い募ってくる。
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