竜王太子の生贄花嫁を拝命しましたが、殿下がなぜか溺愛モードです!?~一年後に離縁って言ったじゃないですか!~
あっという間に消えていく景色を目で追っているうちに、レリアはコルセットの苦しさにもすっかり慣れたのか、窓にもたれて眠りについた。
その後も寝たり起きたりを繰り返しているうちに、馬車は国境を超え、シェーンベルグへたどり着いた。
「エルナ様、ここから王宮に着くまではどうかカーテンをお閉めください」
シェーンベルグへ足を踏み入れてすぐ、御者がエルナにそう言った。この国では、王太子の妻はお披露目会で初めて世間の前に顔を出すという習慣があるようだ。そのため、カーテ外からエルナの姿を見えないようにしなくてはならない。
「……わかったわ」
レリアはシェーンベルグがどんな国なのかを早くこの目で見たいという欲求を抑え、大人しくカーテンを閉めた。外から差し込む光を失い、急に馬車の中が薄暗くなる。
「到着しました。お疲れ様です」
決して広くないどんよりとした空間と、コルセットの締め付けに限界を感じ始めていたとき、やっと馬車が停止した。
扉が開かれ、恐る恐る外に出る。すると、立派な王宮が目に飛び込んできた。王宮の入り口の反対側には、たくさんの竜人で賑わう王都が広がっている。
(ここがシェーンベルグの王都……王宮はヘンデルよりずっと大きくて立派……竜人の姿はあまり見えないけど、みんな見た目は私たちと変わらないのね……)
初めての光景に興奮し、エルナは周りをきょろきょろと見渡す。
(それと――すっごく空が綺麗)
空は快晴で空気も澄んでいる。歓迎されていないことなどわかっているが、シェーンベルグの天気だけは、自らを歓迎してくれているように思えた。
「あなたがエルナ・アーレント様でしょうか?」
馬車から降りて落ち着きのないエレナに、スーツを着た黒髪のひとりの男が声をかける。
「はっ、はい。そうです! ヘンデルのアーレント伯爵家からやってまいりました。エルナと申します」
エルナの背筋がぴんと伸びる。
「お待ちしておりました。私はルードヴィヒ様の側近をしております。フランツと申します。以後お見知りおきを」
「こ、こちらこそよろしくお願いいたします」
フランツは背が高くすらっとしており、見た目や声のトーンからも落ち着いた雰囲気が感じられた。優しそうな人で、エルナは少しほっとしていると、なぜかフランツがじっとこちらを見つめている。
「あのー……? 私になにかおかしなところが?」
その後も寝たり起きたりを繰り返しているうちに、馬車は国境を超え、シェーンベルグへたどり着いた。
「エルナ様、ここから王宮に着くまではどうかカーテンをお閉めください」
シェーンベルグへ足を踏み入れてすぐ、御者がエルナにそう言った。この国では、王太子の妻はお披露目会で初めて世間の前に顔を出すという習慣があるようだ。そのため、カーテ外からエルナの姿を見えないようにしなくてはならない。
「……わかったわ」
レリアはシェーンベルグがどんな国なのかを早くこの目で見たいという欲求を抑え、大人しくカーテンを閉めた。外から差し込む光を失い、急に馬車の中が薄暗くなる。
「到着しました。お疲れ様です」
決して広くないどんよりとした空間と、コルセットの締め付けに限界を感じ始めていたとき、やっと馬車が停止した。
扉が開かれ、恐る恐る外に出る。すると、立派な王宮が目に飛び込んできた。王宮の入り口の反対側には、たくさんの竜人で賑わう王都が広がっている。
(ここがシェーンベルグの王都……王宮はヘンデルよりずっと大きくて立派……竜人の姿はあまり見えないけど、みんな見た目は私たちと変わらないのね……)
初めての光景に興奮し、エルナは周りをきょろきょろと見渡す。
(それと――すっごく空が綺麗)
空は快晴で空気も澄んでいる。歓迎されていないことなどわかっているが、シェーンベルグの天気だけは、自らを歓迎してくれているように思えた。
「あなたがエルナ・アーレント様でしょうか?」
馬車から降りて落ち着きのないエレナに、スーツを着た黒髪のひとりの男が声をかける。
「はっ、はい。そうです! ヘンデルのアーレント伯爵家からやってまいりました。エルナと申します」
エルナの背筋がぴんと伸びる。
「お待ちしておりました。私はルードヴィヒ様の側近をしております。フランツと申します。以後お見知りおきを」
「こ、こちらこそよろしくお願いいたします」
フランツは背が高くすらっとしており、見た目や声のトーンからも落ち着いた雰囲気が感じられた。優しそうな人で、エルナは少しほっとしていると、なぜかフランツがじっとこちらを見つめている。
「あのー……? 私になにかおかしなところが?」