竜王太子の生贄花嫁を拝命しましたが、殿下がなぜか溺愛モードです!?~一年後に離縁って言ったじゃないですか!~
もしかして、気慣れないドレスを着ているから似合っていないだろうかと、エルナは不安になった。
「いえ。とんでもない。エルナ様が想像以上にお美しいので、少々驚いてしまいました。……こんな素敵な女性が嫁ぎにきたとわかったら、殿下もたいへんお喜びになるかと」
フランツの言葉を聞いてエルナは気づく。ルードヴィヒもフランツも、婚約者の見た目はまったく知らされていなかったことに。
(ヘンデルは世界一美女が多いと言われる国――誰が来ても一緒って思ったのかしら)
妻といっても結果的に奴隷扱いされるのなら、見た目なんてどうでもいいのだろうと、エルナは自分の中で完結させた。
「では、王宮の中へ。ルードヴィヒ様のところまで、私がエスコートさせていただきます」
フランツがそう言うと、エルナを乗せた馬車が鳴き声を上げて走り始めた。ヘンデルへ帰るのだろう。これでエルナがヘンデルに帰る手段はなくなったのだ。
(ここまで来たら、もう引き返せない)
エルナは覚悟を決めて、フランツの後ろを付いていく。
「あ、ちなみに現在国王陛下は王都から離れた離宮に住んでいるんですよ。だから、今日挨拶するのはルードヴィヒ様だけです」
エルナの緊張が少しでもほぐれるようにと、フランツが気をきかせて話しかけてくれた。王宮の事情を伝えるのにも、ちょうどいい機会だと思ったのかもしれない。
「国王陛下が離宮に?」
「はい。いろいろと事情がありまして。王宮での生活に陛下が絡んでくることもないので、あまり緊張なさらないでくださいね」
「……では、国王陛下にはお目にかかれないのですね」
予想と反して残念そうな反応をするエルナに、フランツは首を傾げる。フランツからしたら、国王陛下がいないことはエルナにとってラッキーなことだと思っていた。突然連れてこられた国で右も左もわからない状態で、国の最高権力者がすぐそばにいるとなれば、身体も心も休まる隙がないはずなのに。
「エルナ様は陛下に早くお会いしたかったのですか?」
「えっと、お会いしたいというか、興味があるというか……竜王様って、どんな姿なのかなぁって」
「見た目ですか? 普通の人間と変わりませんよ」
「えっ! そうなのですか! てっきり王ともなれば、竜に似たお姿をしているのかと」
「いえ。とんでもない。エルナ様が想像以上にお美しいので、少々驚いてしまいました。……こんな素敵な女性が嫁ぎにきたとわかったら、殿下もたいへんお喜びになるかと」
フランツの言葉を聞いてエルナは気づく。ルードヴィヒもフランツも、婚約者の見た目はまったく知らされていなかったことに。
(ヘンデルは世界一美女が多いと言われる国――誰が来ても一緒って思ったのかしら)
妻といっても結果的に奴隷扱いされるのなら、見た目なんてどうでもいいのだろうと、エルナは自分の中で完結させた。
「では、王宮の中へ。ルードヴィヒ様のところまで、私がエスコートさせていただきます」
フランツがそう言うと、エルナを乗せた馬車が鳴き声を上げて走り始めた。ヘンデルへ帰るのだろう。これでエルナがヘンデルに帰る手段はなくなったのだ。
(ここまで来たら、もう引き返せない)
エルナは覚悟を決めて、フランツの後ろを付いていく。
「あ、ちなみに現在国王陛下は王都から離れた離宮に住んでいるんですよ。だから、今日挨拶するのはルードヴィヒ様だけです」
エルナの緊張が少しでもほぐれるようにと、フランツが気をきかせて話しかけてくれた。王宮の事情を伝えるのにも、ちょうどいい機会だと思ったのかもしれない。
「国王陛下が離宮に?」
「はい。いろいろと事情がありまして。王宮での生活に陛下が絡んでくることもないので、あまり緊張なさらないでくださいね」
「……では、国王陛下にはお目にかかれないのですね」
予想と反して残念そうな反応をするエルナに、フランツは首を傾げる。フランツからしたら、国王陛下がいないことはエルナにとってラッキーなことだと思っていた。突然連れてこられた国で右も左もわからない状態で、国の最高権力者がすぐそばにいるとなれば、身体も心も休まる隙がないはずなのに。
「エルナ様は陛下に早くお会いしたかったのですか?」
「えっと、お会いしたいというか、興味があるというか……竜王様って、どんな姿なのかなぁって」
「見た目ですか? 普通の人間と変わりませんよ」
「えっ! そうなのですか! てっきり王ともなれば、竜に似たお姿をしているのかと」