竜王太子の生贄花嫁を拝命しましたが、殿下がなぜか溺愛モードです!?~一年後に離縁って言ったじゃないですか!~
「ええ。ご指導よろしくお願いいたします」
そっちがその気なら受けて立つ! と、フランツの挑発は、エルナを怯ませるどころか奮い立たせてしまったのだった。
エルナは一度自室へ戻り、待機するようフランツに言われた。すると、テーブルの上に手紙が届いていた。
「……アーレント伯爵家から!?」
差出人を見て、エルナはおもわず声を上げた。
そこには、エルナを心配する内容が綴られていた。思いもよらない家族の行動に、エルナは気味悪さすら感じていた。
(なんだか読んでたら気分が悪くなる……悪いけど、これはここに慣れたときにまた読もう)
エルナは手紙を最後まで読まずに引き出しにしまった。
邪魔者だからといってシェーンベルグへ送ったくせに、今さらどういう風の吹き回しなのか。本当に心配してくれているとしたら申し訳なく思うが、エルナにはそうは思えなかった。
エルナがシェーンベルグへ来て四日後。
今日も今日とて、エルナはフランツからスパルタ雑用教育を受けている――はずだった。
「エルナ様、ここ三日間あなたの指導を担当して、ひとつお聞きしたいことがあるのですが」
「はい。なんでもどうぞ。フランツさん」
「……あなた、本当に伯爵令嬢なんですか? 嘘ですよね? 本当は町娘なのに身分を偽りましたね?」
厳しくする暇もなく、完璧に家事や雑用をこなすエルナを見てきたフランツは、ここ数日で生まれた疑念をエルナにぶつけた。
「あはは。ご冗談を。怪しく思うならいくらでも調べてくださって結構ですよ。……でもそうですね。町娘だったなら、また違った人生を歩んでいたかもしれません」
エルナは苦笑いをして、洗濯が終わったばかりの衣服を素早く畳み始めた。そこに無駄な動きはひとつもなく、フランツはおもわず惚れ惚れしてしまう。
手際の良さにも驚くが、こんな雑用ばかりをさせられて文句ひとつ言わないことも驚きだった。
――おかしい。現国王陛下の妻として嫁いできた女性は、エルナ様よりだいぶ身分が低かったのに、なにもできなかった。なぜ彼女はこんなにも雑用に慣れているのか。
フランツは当初のイメージとまるで違うエルナに対して、戸惑いを隠せなかった。
「あ、フランツさん。ネクタイが曲がっていますよ」
そっちがその気なら受けて立つ! と、フランツの挑発は、エルナを怯ませるどころか奮い立たせてしまったのだった。
エルナは一度自室へ戻り、待機するようフランツに言われた。すると、テーブルの上に手紙が届いていた。
「……アーレント伯爵家から!?」
差出人を見て、エルナはおもわず声を上げた。
そこには、エルナを心配する内容が綴られていた。思いもよらない家族の行動に、エルナは気味悪さすら感じていた。
(なんだか読んでたら気分が悪くなる……悪いけど、これはここに慣れたときにまた読もう)
エルナは手紙を最後まで読まずに引き出しにしまった。
邪魔者だからといってシェーンベルグへ送ったくせに、今さらどういう風の吹き回しなのか。本当に心配してくれているとしたら申し訳なく思うが、エルナにはそうは思えなかった。
エルナがシェーンベルグへ来て四日後。
今日も今日とて、エルナはフランツからスパルタ雑用教育を受けている――はずだった。
「エルナ様、ここ三日間あなたの指導を担当して、ひとつお聞きしたいことがあるのですが」
「はい。なんでもどうぞ。フランツさん」
「……あなた、本当に伯爵令嬢なんですか? 嘘ですよね? 本当は町娘なのに身分を偽りましたね?」
厳しくする暇もなく、完璧に家事や雑用をこなすエルナを見てきたフランツは、ここ数日で生まれた疑念をエルナにぶつけた。
「あはは。ご冗談を。怪しく思うならいくらでも調べてくださって結構ですよ。……でもそうですね。町娘だったなら、また違った人生を歩んでいたかもしれません」
エルナは苦笑いをして、洗濯が終わったばかりの衣服を素早く畳み始めた。そこに無駄な動きはひとつもなく、フランツはおもわず惚れ惚れしてしまう。
手際の良さにも驚くが、こんな雑用ばかりをさせられて文句ひとつ言わないことも驚きだった。
――おかしい。現国王陛下の妻として嫁いできた女性は、エルナ様よりだいぶ身分が低かったのに、なにもできなかった。なぜ彼女はこんなにも雑用に慣れているのか。
フランツは当初のイメージとまるで違うエルナに対して、戸惑いを隠せなかった。
「あ、フランツさん。ネクタイが曲がっていますよ」