竜王太子の生贄花嫁を拝命しましたが、殿下がなぜか溺愛モードです!?~一年後に離縁って言ったじゃないですか!~
一切興味のない相手だったのに、この短期間で王宮での立ち位置を確立している。しかも王太子妃としてではなく、仕事のできる令嬢として。そんなこと、前代未聞であった。
今までの傾向で言うと、嫁いできた女性は普通、ヘンデルに帰りたいと泣いているか、王太子からの愛を偽りでもいいから求めるものだ。だけど、エルナにはそのどっちも見られない。
ルードヴィヒは心の奥底でエルナに興味を抱きながらも、その感情に気づかないふりをした。エルナがどんなに変わった令嬢であれど、離縁するのは確定事項だ。深入りしたとて意味がないと考えたのだろう。元々、ルードヴィヒは誰かと深く関わることを避けて生きてきた。今回も例外ではない。それに、この興味も最初の印象と違ったという物珍しさからきているもので、時が経てば薄れていくこともわかっていた。
エルナはルードヴィヒの心境を知ることなく、この一週間、ひたすら王宮に慣れるために頑張った。目まぐるしい日々ではあったが、忙しいおかげでよけいなことを考える暇もなかった。
ルードヴィヒとは毎日、お茶を運ぶ時間だけ顔を合わせる関係だ。エルナは王太子妃お披露目会で、ちょっとでも彼と会話ができることを願っていた。
そして迎えた、お王太子妃お披露目会。
夕方になると、王宮の大広間はたくさんの来賓で溢れかえっていた。
エルナは今日のためにシェーンベルグ側が用意した高級ドレスとアクセサリーを身に纏い、長い髪の毛をアップに結わえられる。最後に銀色のティアラを頭に乗せられて、その姿は妃というよりお姫様にも見えた。
「今日はひと際美しいですね。エルナ様」
準備の進行具合を見に来たフランツが、エルナを見て声をかける。
「……あまり嬉しくない誉め言葉ですけど」
美しいと聞いて気分が下がるなど、エルナとしても初めての感覚だ。
「私は美しいものが大好物ですよ。そもそも竜人は、ほかの種族より美しさに惹かれてしまう性質を持っているんですから」
「そうなんですか?」
「はい。どの種族よりも面食いだと言われています。ルードヴィヒ様が特殊なだけです」
(……本当かしら)
フランツの言葉を、エルナは半信半疑で聞いておくことにした。
準備を終えたエルナは、大広間へ続く大きな階段上で、ルードヴィヒを待っていた。
今までの傾向で言うと、嫁いできた女性は普通、ヘンデルに帰りたいと泣いているか、王太子からの愛を偽りでもいいから求めるものだ。だけど、エルナにはそのどっちも見られない。
ルードヴィヒは心の奥底でエルナに興味を抱きながらも、その感情に気づかないふりをした。エルナがどんなに変わった令嬢であれど、離縁するのは確定事項だ。深入りしたとて意味がないと考えたのだろう。元々、ルードヴィヒは誰かと深く関わることを避けて生きてきた。今回も例外ではない。それに、この興味も最初の印象と違ったという物珍しさからきているもので、時が経てば薄れていくこともわかっていた。
エルナはルードヴィヒの心境を知ることなく、この一週間、ひたすら王宮に慣れるために頑張った。目まぐるしい日々ではあったが、忙しいおかげでよけいなことを考える暇もなかった。
ルードヴィヒとは毎日、お茶を運ぶ時間だけ顔を合わせる関係だ。エルナは王太子妃お披露目会で、ちょっとでも彼と会話ができることを願っていた。
そして迎えた、お王太子妃お披露目会。
夕方になると、王宮の大広間はたくさんの来賓で溢れかえっていた。
エルナは今日のためにシェーンベルグ側が用意した高級ドレスとアクセサリーを身に纏い、長い髪の毛をアップに結わえられる。最後に銀色のティアラを頭に乗せられて、その姿は妃というよりお姫様にも見えた。
「今日はひと際美しいですね。エルナ様」
準備の進行具合を見に来たフランツが、エルナを見て声をかける。
「……あまり嬉しくない誉め言葉ですけど」
美しいと聞いて気分が下がるなど、エルナとしても初めての感覚だ。
「私は美しいものが大好物ですよ。そもそも竜人は、ほかの種族より美しさに惹かれてしまう性質を持っているんですから」
「そうなんですか?」
「はい。どの種族よりも面食いだと言われています。ルードヴィヒ様が特殊なだけです」
(……本当かしら)
フランツの言葉を、エルナは半信半疑で聞いておくことにした。
準備を終えたエルナは、大広間へ続く大きな階段上で、ルードヴィヒを待っていた。