竜王太子の生贄花嫁を拝命しましたが、殿下がなぜか溺愛モードです!?~一年後に離縁って言ったじゃないですか!~
「はい。要するに、レーネ嬢は昔からずっとルーイ様に熱を上げていたんですよ。しかし、遂にこのときがきてしまった……どんな人が妻になったのか、気になって仕方ないのでしょう」
レーネは初めてルードヴィヒを見たときから、ずっと彼に憧れ、恋い焦がれていた。だが、しきたりがある以上、いつかヘンデルの令嬢を妻にもらうことはわかっていた。
「彼女は積極的にルーイ様の側室の座を狙ってくると思いますので、遠目から宣戦布告でもしにきたってところですかね」
「そんな、私、絡まれたらどうしたら?」
「大丈夫ですよ。今日騒ぎを起こすほどレーネ嬢も馬鹿じゃありませんから。視線がわずらわしいくらいは、なんとか耐えてください」
そう言って、フランツは追加のお酒を取りに行くのか、エルナの前から去って行った。
(側室か……ルードヴィヒ様も作るに決まってるわよね。私との結婚は、ただの政略結婚なんだから)
エルナは側室というものに、あまりいいイメージを持っていなかった。それは、幼い頃父親が正妻である母を捨て、側室に入れ込んだことが原因だ。
昔のことを思い出して、エルナは暗い気持ちになった。自然とため息が漏れてしまう。そんな様子も、すべてレーネに見られている。
(あの子、ルードヴィヒ様のことが好きなら、私のことがきっと嫌いなはず――!)
ちらりとレーネのほうに視線をやると、今まででいちばん近い距離までレーネが接近していた。エルナは驚いて息を呑んだが、目が合ってしまったので、今度は逸らさずに笑いかけてみる。
「……っ!」
すると、レーネは顔を真っ赤にしてエルナの前から逃げていった。エルナはレーネの気に障るようなことをしたと思い、ひとりハラハラとする。
(はぁ。あの子以外にもじろじろと私を見てくる人が多いし、なんだか疲れたわ。外の風でも浴びてこよう)
ルードヴィヒの妻、そして加護持ちの令嬢ということで、エルナは奇異の目に晒されていた。そんな視線に疲れたエルナは大広間を出て、近くにあるテラスへと向かう。
テラスには誰もおらず、エルナは椅子に腰かけると思い切り伸びをした。高いヒールでずっと立ちっぱなしでいるのもたいへんだ。エルナはしばらく、ここでゆっくりしようと決めた。
「あら? エルナ王太子妃じゃありませんかぁ」
レーネは初めてルードヴィヒを見たときから、ずっと彼に憧れ、恋い焦がれていた。だが、しきたりがある以上、いつかヘンデルの令嬢を妻にもらうことはわかっていた。
「彼女は積極的にルーイ様の側室の座を狙ってくると思いますので、遠目から宣戦布告でもしにきたってところですかね」
「そんな、私、絡まれたらどうしたら?」
「大丈夫ですよ。今日騒ぎを起こすほどレーネ嬢も馬鹿じゃありませんから。視線がわずらわしいくらいは、なんとか耐えてください」
そう言って、フランツは追加のお酒を取りに行くのか、エルナの前から去って行った。
(側室か……ルードヴィヒ様も作るに決まってるわよね。私との結婚は、ただの政略結婚なんだから)
エルナは側室というものに、あまりいいイメージを持っていなかった。それは、幼い頃父親が正妻である母を捨て、側室に入れ込んだことが原因だ。
昔のことを思い出して、エルナは暗い気持ちになった。自然とため息が漏れてしまう。そんな様子も、すべてレーネに見られている。
(あの子、ルードヴィヒ様のことが好きなら、私のことがきっと嫌いなはず――!)
ちらりとレーネのほうに視線をやると、今まででいちばん近い距離までレーネが接近していた。エルナは驚いて息を呑んだが、目が合ってしまったので、今度は逸らさずに笑いかけてみる。
「……っ!」
すると、レーネは顔を真っ赤にしてエルナの前から逃げていった。エルナはレーネの気に障るようなことをしたと思い、ひとりハラハラとする。
(はぁ。あの子以外にもじろじろと私を見てくる人が多いし、なんだか疲れたわ。外の風でも浴びてこよう)
ルードヴィヒの妻、そして加護持ちの令嬢ということで、エルナは奇異の目に晒されていた。そんな視線に疲れたエルナは大広間を出て、近くにあるテラスへと向かう。
テラスには誰もおらず、エルナは椅子に腰かけると思い切り伸びをした。高いヒールでずっと立ちっぱなしでいるのもたいへんだ。エルナはしばらく、ここでゆっくりしようと決めた。
「あら? エルナ王太子妃じゃありませんかぁ」