交際0日、冷徹御曹司に娶られて溺愛懐妊しました

コーヒーを飲み干して立ち上がった吉鷹に永長が尋ねる。


「ちょっと出てくる」
「どちらへ行かれるのですか?」
「プライベートだから永長は気にしなくていい」
「土日ならいざ知らず平日のそれも昼間ですから、そういうわけにはまいりません。私には副社長の動向を常に把握しておく責任があります」


堅苦しいことを言うものだと苦笑いしながら観念する。永長の生真面目さは今にはじまったことではない。


「区役所へ行く」
「区役所ですか。……もしや婚姻届けの提出でしょうか」
「ビンゴ」


〝ご名答〟と永長を軽く指差した。


「副社長がご自身で行かれるのですか」
「なぜだ」
「いえ、観月副社長であれば私などに頼みそうな気がしたので」
「……自分の婚姻届けを人に頼みなどしない」


と言いつつ、永長の鋭い指摘に若干狼狽えた。
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