交際0日、冷徹御曹司に娶られて溺愛懐妊しました
〝結婚にまるで興味のない〟という形容詞が彼の言葉に隠されているのがわかる。たしかにこれまでの自分なら、他人任せにしていただろう。
「そうですね。そのほうがよろしいでしょう」
「上から目線に聞こえるのは気のせいか?」
「滅相もございません。……そういえば、お渡ししたいものがあるのを失念していました」
冗談交じりで追及すると、永長は取り澄ましたように首を横に振り、急いで副社長室を出ていく。ものの数分で戻った彼は、紙袋を手にしていた。
「結婚のお祝いというわけではないのですが、こちらをどうぞ」
差し出された袋を受け取る。上から覗いたら、ラッピングされた包みが見えた。
「これは?」
「奥様と一緒にお使いください。ご夫婦で揃って使えるものですので。むしろ副社長にはぜひ使ってもらいたいですね」
中身は開けてからのお楽しみらしい。永長はもったいぶって教えてくれなかった。