交際0日、冷徹御曹司に娶られて溺愛懐妊しました

「そんなに珍しい?」
「はい。橋を海から眺める機会はめったにありませんから。綺麗ですね。次にクルーズ船で結婚式があるときは、よそ見しちゃいそう」
「それはどうかな。茉莉花は目の前の仕事にのめり込むタイプだから、そのときになったら忘れて新婦しか見えないんじゃないか」
「さっきサロンで待たせたから怒ってるんですね」


茉莉花が、質問ではなく断定して言う。


「いや、楽しかったと言ったはずだ」
「嫌味で言ったんじゃないんですか?」


待たされた腹いせと言いたいらしい。茉莉花の中で、吉鷹の印象はすこぶる悪いようだ。
わかってはいるが、早いところそのイメージを覆さねばと決意を新たにする。


「茉莉花が仕事をしている姿を見られて楽しかったと純粋に思ってる」
「私が働いているところなら、お客様としてサロンにいらしたときに打ち合わせだとか、ハワイでも吉鷹さんのヘアメイクをしたときに見せてますけど」
「そのときとは状況が違う」


茉莉花は今ひとつわからないといった様子で肩を軽く上げ下げした。
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