交際0日、冷徹御曹司に娶られて溺愛懐妊しました

「別室にでも行って、ひとりで処理するか。茉莉花が見学したいなら大歓迎だ」
「そんなのしません!」


布団を頭から被り、勢いよく彼に背を向ける。吉鷹がくくっと含み笑いするのが聞こえた。


「おやすみ、茉莉花」


背中に掛けられた声に「おやすみなさい」とボソッと返す。目を閉じ、しばらく息をひそめていたが、吉鷹は部屋を出ていく気配がない。ほどなくして寝息が聞こえてきたときに、からかわれたのだと気づいた。

隣に茉莉花がいてもいつもと変わらず眠れるのだから、きっと好意はないのだろう。わかっていたのに、なぜか胸がちくんと痛む。

吉鷹と交わした濃厚なキスのせいか、はたまた不可解な心の動きのせいか、茉莉花は朝までほとんど眠れずじまいだった。
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