交際0日、冷徹御曹司に娶られて溺愛懐妊しました
おそらく紫の茉莉花に対する評価はそれほど高くないだろうから、ハードルが低いのはありがたい。その代わり、厳しい目でチェックされるかもしれないため、気は抜けないが。
「それは頼もしいな」
「ヘマをしないようにがんばります」
両手で小さく拳を握りしめて胸の前で軽く振ると、吉鷹は「あんまり気負うな」と頬をさらりと撫でた。
ほどなくして着物の包みを抱えた紫が現れ、背筋がピンと伸びる。社長夫人のオーラに圧倒されそうだ。
「こ、こんにちは」
両手を前に揃えてぎこちなく頭を下げると、紫は「今日は悪いわね」と茉莉花を労った。
「入って、母さん」
早速リビングに案内し、お茶を準備する。今日のために買ってきた高級茶葉は気に入ってもらえるだろうか。
どぎまぎしながらテーブルに茶碗を置き、トレーを抱えたまま紫の反応を見届ける。