交際0日、冷徹御曹司に娶られて溺愛懐妊しました

「私が彼女にこの店のデザイナーを紹介してほしいと頼んだんです。私の恋人への婚約指輪をデザインしてもらいたくて」


……恋人への婚約指輪?

彼の言葉に絶句する。戦闘態勢に入っていたも同然の勢いが行き場を失くし、不覚にも動揺した。

吉鷹の完全な誤解だったのだ。


「……それは失敬」


非礼を素直に詫びる。しかし、だからといって茉莉花がほかの男とふたりでいるのを納得したわけではない。
菊川をじっと見据えて続けた。


「ですが、今後そのような行為は慎んでいただけますか。理由はどうであれ、あなたの恋人だってほかの女性とふたりきりでいるのは気持ちのいいものではないでしょう」


努めて冷静にお願いしたつもりが、無意識に威圧したようだ。そのプレッシャーに菊川は「は、はい」とさらに後ずさりをして目を泳がせた。


「茉莉花、外で待ってる」
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