交際0日、冷徹御曹司に娶られて溺愛懐妊しました
肩をすくめて眉を上げ下げする吉鷹につい詰め寄る。腕を掴んで顔を見上げたら……。
「乗って」
パーキングに到着。ドアを開けた吉鷹に助手席に乗せられた。
すぐに発進した車が街を快調に進んでいく。先ほどの答えはまだもらえていないが、明確な好意を示された気がして鼓動が速まる。そして、茉莉花はそんな反応をする自分自身にも戸惑っていた。
「どこかで食事をしていこう」
話が大きく逸れる。
「今夜はふたりで一緒に作りませんか?」
なんとなくそうしてみたかった。高級レストランの食事もいいが、ふたりで料理をしたら彼の言う〝ステップ〟にもなる。
一緒に暮らしはじめたこの一週間、彼が食事担当のときはデリバリーだったため料理の腕前はまだ知らないが。
「じつは昨日スーパーで材料は調達済みなんですけど、バターチキンカレーとナンはいかがですか?」
「ナンって自宅で焼けるのか?」
「フライパンで大丈夫です」
「いいね、それ。よし、乗った」
先ほどまでの仏頂面はどこへやら、吉鷹は上機嫌で頷いた。