交際0日、冷徹御曹司に娶られて溺愛懐妊しました
「もう、子どもじゃないんですから」
幼子が初めて料理をしているような有様だ。
「一生懸命やった証拠だ」
「そういう証明は手元だけで完結させてください」
笑いながら手拭きタオルで彼の頬の粉を拭っていると、その手をそっと掴まれた。笑顔を一変させ、吉鷹が真顔になる。
もう片方の彼の手が茉莉花の腰を引き寄せた。
決して彼の一方的な力ではない。それを嫌だと思わない茉莉花も、素直に体を委ねる。
吉鷹の熱っぽい眼差しに射抜かれ、鼓動のリズムが狂った。
「好きだ」
囁いた彼の言葉に動揺し、手からタオルが落ちると同時に唇が重なる。
本物の夫婦を目指していたとはいえ、彼から今、そんな言葉をもらえるとは想像もしない。胸が高鳴り、ファンファーレのように鳴り響く。
表面を擦り合わせたあとにそっと食み、優しいキスが解かれた。