交際0日、冷徹御曹司に娶られて溺愛懐妊しました

茉莉花は咄嗟に布団にもぐり込むという意味不明の行動に出たが、吉鷹は気にするふうでもなく反対側からベッドに入った。

仰向けになりぎゅっと閉じた瞼で、部屋の明かりが消されたのを感じる。先ほど限界だと思ったのに鼓動のスピードは、さらに速まった気がした。

(このままだと壊れちゃうかも……!)

耳の奥では大太鼓を叩いているような心拍音が響いていた。


「寝たふりか」
「ふ、ふりなんてしてません」


吉鷹が体ごとこちらを向いた気配がする。こっそり薄目を開けると、ベッドサイドのスタンドライトがついていた。控えめな光が部屋をぼんやりと明るくしている。
横顔に彼の強烈な視線を感じて居心地が悪い。


「茉莉花がこのままなにもせずに寝たいのならそれでもいい」
「……え?」


予想外の言葉だったため、彼をパッと見る。先に進んでもおかしくないと思っていたため、拍子抜けした感じだ。
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