交際0日、冷徹御曹司に娶られて溺愛懐妊しました

それなら茉莉花ではなく、このサロンの責任者である菊川に面会を求めるだろう。彼女の目的がべつにあるのは、この前マンションにやってきた理由からも明らかだ。


「マネジャーに通そうか?」
「ううん、ちょっと会ってみる。菊川マネジャーのほうがいい内容だったら、そのときはそうするね」


美春に「ありがとう」とひと声かけ、エントランスに向かう。結愛は茉莉花を見て、美しい笑みを浮かべた。ここで打ち合わせをしたときには見せなかった表情だ。

マンションを訪れたときにも白いスカートを穿いていたが、今日も真っ白なニットワンピース姿。彼女が着なかったウエディングドレスを彷彿させて、宣戦布告のようだと邪推する。


「いらっしゃいませ」


形式的な挨拶をすると、結愛も「こんにちは」とごく普通に返してきた。

(この前の話は諦めた……? 冷静になって気持ちが落ち着いたのかな。もしかしたら美春の言うように謝罪に来たのかもしれない)

普通に考えたら、彼女の要求は異常。度を超えるどころの話ではない。
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