交際0日、冷徹御曹司に娶られて溺愛懐妊しました

攻撃的ではないマイルドな態度が茉莉花を油断させる。


「本日はどのようなご用件でしょうか」
「伏見さんとちょっとお話しがしたくて」


結愛は、〝観月〟に変わっている茉莉花の社員証をチラッと見てから旧姓を強調した。


「……では、こちらへどうぞ」


謝罪で訪れたのではないと悟り、通常、お客様と打ち合わせで使うブースではなく個室に通した。
正式に妻となった茉莉花に堂々と離婚を迫るくらいだ。そう簡単に態度を改めるはずはないと思いなおした。

向かい合って座り、彼女が早々に切りだす。


「この前はいきなり訪問してごめんなさい」
「いえ……」


今日も同じ話の繰り返しだとわかったため身構える。


「そろそろお返事を聞かせてもらえる?」
「それでしたら、先日お話しした通りです」
「吉鷹さんを返してくれないと?」
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