交際0日、冷徹御曹司に娶られて溺愛懐妊しました

「お義父様!」


義母の紫にはごく最近会ったが、義父の徳之助とは結婚の報告に吉鷹とふたりで実家に訪れて以来だ。すんなり〝お義父様〟と呼べた自分に密かに拍手を送る。

観月建設のトップであればここにいるのは当然だが、遠巻きに見る程度で挨拶もできないかもしれないと考えていた。
その彼が今、茉莉花の目の前に。少し離れたところには秘書らしき凛とした女性が控えている。


「ご無沙汰しており申し訳ありません」


徳之助は気にするなとばかりに手をひらりと振った。

吉鷹はまだ茉莉花の妊娠を両親には伝えていない。吉鷹の次の代の後継者を待ち望んでいるふたりが、妊娠初期の茉莉花の負担にならないようにとの彼の配慮である。


「いや、いつも心遣いをすまないね」
「お口に合いましたでしょうか……」


実家は訪ねていないが、紫と徳之助に喜んでもらえればと、おいしい日本酒や洋菓子をたまに吉鷹伝手で贈っている。茉莉花の好みで選んでいるため少なからず心配だ。
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