交際0日、冷徹御曹司に娶られて溺愛懐妊しました
不意に吉鷹の視線が飛んでくる。それを追ってスポットライトが茉莉花を照らした。
ドクンと鈍く鳴る心臓の音。あまりの眩しさに瞼を閉じ、再びゆっくり開くと、目の前に吉鷹が立っていた。
「おいで」
茉莉花にだけ聞こえる声で囁き、手を取る。AIロボットでももっと上手に歩くだろうと自分でも苦笑するほど、ぎこちない足取りでステージに上がった。
四方八方からライトを浴び、目眩がする。でもおかげで逆光となり、招待客の顔が誰ひとり見えないのはいい。
吉鷹の結婚はすでに公にされているため、場内から「奥さんじゃない?」と囁き合う声が聞こえる。
茉莉花はマイクの前に立つ吉鷹の隣で、速まる鼓動を持て余して体を硬直させていた。
「妻の茉莉花です」
吉鷹が紹介した途端、会場からどよめきが波のように巻き起こり、直後に沸き立つような拍手が響き渡る。
彼の手が背中に触れ、挨拶を促された。