交際0日、冷徹御曹司に娶られて溺愛懐妊しました
「観月茉莉花と申します。本日は――」
「ちょっと待って!」
茉莉花の言葉を妨害すべく、大きな声が割って入る。肩がビクンと弾ませて声のほうに目を向けるが、ライトが眩しくて姿が認識できない。
しかし茉莉花の耳は、その声の主を判別した。
緊張で高鳴っていた胸が、嫌な予感に包まれる。手をかざしてライトを遮り、ようやく判明した姿に否応にも全身が硬直した。
荒牧結愛だったのだ。
スリットが深く入った黒いロングドレスを身にまとった彼女は美しい顔を険しくさせ、ステージに向かってくる。
吉鷹は守るようにして茉莉花の前に立った。
「なにをしにきた。キミをここへ招待したつもりはない」
冷ややかな声は茉莉花でもすくみ上がるほど。招待客が騒然とする中、吉鷹は努めて冷静に彼女に相対した。