交際0日、冷徹御曹司に娶られて溺愛懐妊しました
「他人ですから」
「神の前で愛を誓い合った仲じゃないか」
「神様には偽物だと見透かされています」
吉鷹が間合いを詰めたため、茉莉花はその分後ろに下がった。
「なにも逃げなくても」
彼がクスッと鼻を鳴らす。
「これからデートしよう」
「まだ仕事が終わっておりませんので」
デートはしないというのを暗に含めるが、吉鷹もそれでは退かない。
「それなら外で待ってる。キミに言われたように、ふたりの距離を縮める努力をするつもりだ。付き合ってくれ」
「私はまだなにも――」
「話ならキミの仕事が終わったあとで聞こう」
〝決めていません〟という言葉が彼に遮られる。吉鷹は手をひらりと振ってサロンを出ていってしまった。