交際0日、冷徹御曹司に娶られて溺愛懐妊しました
「……噛んでないのに消えました。おいしい」
「だろう」
まるで自分の手柄のよう。吉鷹は満足そうに笑った。
そんな彼の様子が無邪気に見えるなんてどうかしている。
「ここへはよくいらっしゃるみたいですね」
おそらく茉莉花を連れてきたように、数多くの女性と来ただろう。今のように最高ランクの肉を食べさせて〝俺、すごいだろう? こんな料理を毎日のように食べてるんだぜ〟とひけらかしてきたに違いない。
「よくというわけじゃないけど。たまにふらっとひとりで」
「……おひとりで?」
予想と違うため聞き返す。
「ヤキモチか?」
「きっとたくさんの女性を連れてきたんだろうなという自然な想像です」
「心配するな。茉莉花が初めてだ。ね、大将」
吉鷹に同意を求められた店主が「ええ、そうですね」と答える。嘘ではなさそうだ。